今 を 見 つ め て


1,自死遺族をとりまく社会の現状  1

はじめて,これを読んでいただいた遺族の方,まだ歳月の経過が少ない遺族の方は,
「なぜ,私だけ,私たちだけが,こんなことに・・・」と,感じておられるかもしれません。

けれど,たぶん
あなたが想像するより多くの自死遺族の方が,この日本にはおられます。

感情を抑えて,冷静に事実を見つめるということは,なかなか難しいものです。
いろいろな感情が渦巻く中で,激変した環境の中で,すぐには無理かもしれませんが,
まず,だれが見ても同じである「数字(統計)」によって,社会の現状を見つめてみたいと思います。




平成14年度の統計資料によると,警察庁発表では
32.143人の方(統計資料)が,
厚生労働省発表では
29.920人の方(統計資料)が,自死を死因として亡くなられています。

どちらの統計においても,前年と比較して,再び増加傾向に転じました。
そして,この 30.000 という いのちの数は,
交通事故死の3倍以上にあたる数なのです。


私は,このあまりの多さに,数としての実感が湧いてきません。

けれど,過去に交通戦争と呼ばれた時代があったのならば,
今,この日本では,その交通戦争以上のことが起こっている ことは現実なのだと思います。







いのちの危機に直面するような,実際の戦争などの社会情勢の場合は,
世界的な過去の例をみても,その数が減少することは確かなようです。

これは,より注目に値するような社会的な関心事があった場合でも,
似た傾向(減少)を示すことが確認されているそうです。
逆に,自死などの報道のされ方によって(興味本位だけ,否定だけなど)は,
悲しい連鎖を引き起こす場合もあるようです。

経済的な不況と呼ばれるものが大きな要因であるとする意見,研究結果がある一方で,
それでは説明できないという報告もあり,一概に言い切ることはできないようです。




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