3,死という事実,そして心 4
少し話しは逸れますが,うつ病と自死遺族の方の関係について,少しお話しさせてください。 (実は,これを伝えたいために,ここまで考え方を掘り下げたとも言えるのです) まず,うつ病になることによって現われる症状をあげてみます。 「 気分が重い、気分が沈む、悲しい、元気がない、憂うつ、物事を悪いほうへ考える、 悪いことをしたように感じて自分を責める、死にたくなる、眠れない(以上,自覚症状として) 表情が暗い、反応が遅い、飲酒量が増える(以上,周囲から見て) 食欲がない、身体がだるい、疲れやすい、動悸、胃の不快感、めまい(以上,身体症状として) 」 読んでみて,ご自身の今の状態と比較してみて,いかがでしょうか? 経過された歳月,それぞれの方の立場,環境,個性によって大きな差はあるでしょうが, これらの症状は,自死遺族という立場におかれた方であるならば, だれにでもありえる,ごく自然な症状と思えるのです。 これもまた,少なくはない自死遺族の方と接してきた私の感覚なのですが, 自死遺族の100%に近い方々が,期間の長い短い,周期の長い短い,波が大きい小さい, の差はあったとしても,うつ病(うつ傾向から,躁うつ病などの広い意味)の時期があると, 言い切って良い,とさえ感じています。 うつ病であるから,このような症状が出るという場合もあるでしょうが, むしろ,このような症状が継続するからこそ,自死遺族だからこそ, 逆に,うつ病と呼ばれる疾患(機能障害)になりやすい,と考えることに対して, 私は,まったく違和感を持ちません。 上にも,記しましたが,うつ病は早期のより的確な治療が,なによりも効果的です。 「 身体 と 心 が,ゆっくりと休める環境を作ること 」 「 今の自分に合った精神科医さん,カウンセラーさんを見つけること 」 「 適切な薬物療法(うつ病に関しては日進月歩)の併用が非常に有効に作用すること 」 などは,どのような情報によっても同じであり,信じるに足るものと言って良いと思います。 (どんなものごとでも,個人差,反対の作用(副作用)は存在しますが) 自己診断(セルフチェック)は,ぜひ,継続的にしてほしいと思いますし, 周囲の遺族の方に対しても,できる範囲での注意を払いながら, 必要であれば,迷うことなく,医療機関の扉を早めに開くことが大切だと思います。 ただ,残念ながら,すべての精神科医の方が最新の情報を持ち, 患者さん毎に,最適と思われる診療をされてはいないようです。 正直なところ,最初から相性も良いドクターに合われるケースは稀であり, 辛い気持ちの状態の中で,諦めずに探す根気が必要なようです。 さらに,社会,世間の精神疾患に対する偏見も根強いものがあります。 そして,自身の,それに対する思い込みも多分にあるかもしれません。 けれど・・・!です。 どんな逆風があろうとも,捨てなくてはならないプライドがあろうとも, もし,あなたが,故人の尊厳と,遺された家族,大切に思う人を守りたいと考えるならば, 「 自分の身体と心を,しっかりと守ってあげること 」 私は,それこそを なによりも優先してよい大切なことだと考えています。 そして,そのことを,あなたのご家族に,また周囲の方々にも伝えて欲しいと思うし, それぞれの方の余裕,余力の範囲内で,支えあえるのであれば,そうしてほしいと思います。 さらに,もし,それでも身体と心の限界を越えそうならば,どんな方法でもいいから, 恥も外聞もかなぐり捨てて,社会に対して助けを求める決意を勇気を持ってしてほしいと思います。 最後に,精神疾患に関連して,ひとつだけ,私の強い思いを伝えさせてください。 どんな命であっても生き続ける限り,この世界にその命の影響を与え続けることができます。 何かの思いがあれば,それが伝わる,また実現できる可能性はゼロではありません。 完全無欠な人間など存在しません。 欠点と思えるものがあるから,私たちは,神様ではなく人間なのだと思います。 そしてそれは,完璧ではなくても生きていける人間という存在のすごさ だと思います。 他者から見た欠点は,間違いなく個性のひとつだと思います。 それが,自分にとっての欠点であるとは限りません。 もちろん、その逆もあります。 自分が欠点だと思っていることが、他者には愛すべき個性として映っていることは多いです。 そして,意思を持ち,その欠点をいつか乗り越えられる可能性が残されているならば, その個性の多様性を否定しきることも,また排除しきることも,誰もできないと考えています。 このサイトの「いろいろリンク」にも,メンタルチェックができるサイトを紹介しています。 「 心 と 健康 に関するサイト 」 時間に余裕があるようでしたら,ご覧になってみてください。 |